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院長・川村正英の


腰椎椎間板症 2022年3月1日

 腰痛の原因で比較的多い疾患として腰椎椎間板症が挙げられます。椎間板は腰椎の上下の骨を連結してクッションの役割を果たす軟骨ですが、年齢的な変化が生じると軟骨の水分含量が減少して弾力性が低下します。そのような椎間板に身体の使い方による無理がかかって、腰椎椎間板症が発症します。例えば、中腰になることが多い場合や日常的に重量物を持つ人では起こりやすくなります。椎間板ヘルニアのように神経の圧迫は来していないので、足にしびれや筋力低下は通常生じません。腰椎のエックス線撮影では椎間板のある隙間が狭くなり骨棘という変形が確認される場合が多く、MRIでは椎間板の年齢的な変化や軽度の膨隆が見られても、ヘルニアまでは至っていません。
 治療として急性期には安静にし、薬物療法を適宜行います。急性期を過ぎるとリハビリも行われ、体幹の筋力強化が推奨されます。腰部に無理をかけ続けるとヘルニアに移行する恐れもあるので、腰痛が持続する方には整形外科の受診をお勧めします。
 
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