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院長・川村正英の


傷の化膿 2020年6月1日

 手足に切り傷、擦り傷、刺し傷などの傷を負うことがありますが、そのような場合に通常は傷の中に細菌が入っています。細菌に負けると化膿を生じますが、各人の身体における抵抗力の強さと創傷の状態、細菌の強さによるバランスで化膿が生じるかどうかが決まります。
 一般に浅くて小さい傷は化膿が起こりにくいですが、深くて大きい傷は化膿しやすいといえます。汚い傷、異物が内部に残っている傷や血流が悪くなった組織を伴う傷では化膿のリスクが高まります。腱鞘や関節内に及ぶ深い傷の化膿は治りにくく、化膿が治っても後遺障害を残しやすくなります。
 浅くて小さくきれいな傷なら自分で消毒をして様子を見てもよいと思いますが、深くて不安定な切り傷の場合、受傷後長時間たっていないなら縫合が考えられます。化膿を防ぐために抗生物質の使用が必要となる場合も少なくありません。深い傷や汚い傷を生じた場合はあまり時間を置かずに医療機関を受診した方がよいと思います。
 
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