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院長・川村正英の


骨折の癒合に要する期間は短縮できるのか? 2019年1月8日

 骨折を受傷して「試合に間に合わせてほしい」あるいは「仕事のため早く治してほしい」と要望される患者さんがいらっしゃいます。つまり骨折が癒合する期間を短縮させてほしいというのです。
  過去には、海外の有名サッカー選手が大会直前に骨折し、出場は無理だといわれていたが、酸素カプセルを治療に使って復帰できたことが話題になりました。しかし、本邦では高気圧酸素治療は骨折に対する保険診療の適応がありません。また、骨癒合が遷延する場合や骨折の手術後に骨癒合を促進する目的で超音波治療を行う場合はありますが、手術を要しない一般的な骨折で超音波治療を初期から用いることも通常はありません。つまり、骨折の癒合に要する本来の期間を短縮させることはできません。
  一方、整形外科の標準的な治療を受けていないと回り道をする場合はあります。ギプスなどによる適切な固定を受けない場合や適応があるのに手術を受けない場合などには骨癒合が遅れたり、骨癒合が得られないこともあります。
 
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