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院長・川村正英の


骨粗しょう症で生じる大腿骨近位部骨折と脊椎圧迫骨折 2023年2月6日

 骨粗しょう症で生じる代表的な脆弱性骨折としては、大腿骨近位部骨折と脊椎圧迫骨折が挙げられます。
  高齢者が転倒して立てなくなった場合には大腿骨近位部骨折が生じている疑いがあり、大腿骨頸部骨折、転子部骨折などに分類されます。骨折のために歩けなくなり、立位や座位が取れない状態が長期化すると褥瘡・肺炎など全身状態の悪化を来すため、通常早期に手術が行われます。しかし、中には歩行機能低下が残る症例もあります。
  一方、脊椎圧迫骨折では骨折部の変形により身長低下や背中の曲がりを来し、高い所に手が届きにくくなるなどの動作制限を生じます。慢性的な腰背部痛が残存する場合や、骨折が癒合せず下肢のまひを生じる症例も見られます。
  このように、これらの骨折は高齢者における日常生活自立度の低下を引き起こす恐れがあるので骨粗しょう症による骨折の中でも特に重視されています。骨粗しょう症の患者さんは脆弱性骨折が生じないように治療を継続することが重要です。
 
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