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院長・川村正英の


骨粗しょう症の検査と診断 2023年1月9日

 骨粗しょう症で行う検査としては骨密度測定と血液・尿検査による骨代謝マーカー測定があります。日本骨代謝学会・日本骨粗しょう症学会による原発性骨粗しょう症の診断基準が2012年度に改訂されました。この診断基準では骨密度検査の値と脆弱(ぜいじゃく)性骨折の有無が診断の因子として用いられています。
  脆弱性骨折がある場合、脊椎圧迫骨折または大腿(だいたい)骨近位部骨折を生じたことがあれば、それだけで骨粗しょう症と診断することになっています。その他の部位の脆弱性骨折の既往がある場合は、骨密度が若年成人平均値の80%未満で骨粗しょう症となります。脆弱性骨折がない場合は、骨密度が若年成人の70%以下なら骨粗しょう症と診断します。
  この診断基準から分かるように、骨粗しょう症では脊椎圧迫骨折と大腿骨近位部骨折が特に重視されています。骨代謝マーカーを測定すると骨形成能と骨吸収の程度を知ることができるので、薬物療法を行う場合の参考として、これらの脆弱性骨折を防止することが重要です。
 
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