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院長・川村正英の


足首の靱帯損傷 2020年9月1日

 足首の捻挫はスポーツで生じることが多いですが、歩行中に足をひねったり段差を踏み外したりして受傷する患者さんも少なくありません。足の裏が内向きになるようにひねる場合が多く、足首の外側側副靱帯(じんたい)が損傷されやすくなります。この靱帯は外くるぶしと周辺の骨を結合し、足首の異常な動きを制動する役割を担っていますので、受傷すると外くるぶし周囲に腫れと痛みを生じます。エックス線では外くるぶしの骨が剥がれた状態が見られる場合もありますし、超音波検査では靱帯の損傷程度を動的に評価することもできます。
 損傷が重度になり関節の不安定性が残存すると、容易に捻挫を繰り返し軟骨がすり減って変形性関節症へと進展する場合もあります。従って重傷の場合は装具やギプスによる固定が必要になります。時には手術を要することもありますが、通常は適切な肢位での固定を継続することにより靱帯が修復され足首の良好な機能が再獲得されます。足首の捻挫も放置せずに、整形外科に受診することをお勧めします。
 
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