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院長・川村正英の


膝関節血症 2014年9月2日

 転倒して膝を打ったりひねったりした際に、膝関節部が腫れて痛み歩行が困難になる患者さんがいますが、急に膝の腫れを来した場合は膝関節内に出血していることが少なくありません。これを膝関節血症といい、関節を構成する骨、靱帯、半月板などからの出血が考えられます。骨からの出血では、エックス線で分かりにくい程度のひびでも出血量が少なくない症例が多く、その場合、歩行が何とか可能でも関節内にたまった血腫により膝が張って屈伸が困難になります。骨粗しょう症年齢の患者さんは、お皿や向こうずねの骨のひびから関節血症となる症例を多く経験します。一方、青壮年ではスポーツによる前十字靱帯損傷が膝関節血症の原因として多いことが知られています。
 ひびは放置するとずれてくる可能性があり、装具やギプスによる固定が通常必要となり、靱帯損傷では手術適応となることもあります。転倒して膝が腫れて歩行困難になった場合は整形外科受診をお勧めします。
 
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