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カルシウム欠乏と骨粗しょう症 2004年8月9日

 ヒトの体においてカルシウムは細胞の情報伝達に必要な物質であり、血液中のカルシウム濃度は食事でのカルシウム摂取量にかかわりなく一定に保たれています。カルシウムは成人で1日に600ミリグラム必要ですが、摂取が不足すると血中カルシウム濃度を維持するために副甲状腺ホルモンが働き、骨からカルシウムが溶けて出ます。この状態が長く続くと骨粗しょう症になるわけです。
 一方、副甲状腺ホルモンの働きが強くなると、骨から溶け出たカルシウムが軟部組織に沈着するようになります。例えば、カルシウムが血管に沈着すると動脈硬化が起こりますが、骨粗しょう症患者の腰部エックス線では大動脈の石灰化がしばしば見られます。   カルシウム欠乏は骨粗しょう症をきたすばかりでなく、動脈硬化などの生活習慣病にも関係しています。


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