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院長・川村正英の


軟骨摩耗の進行による変形性関節症の発症 2018年4月3日

 膝関節や股関節の痛みでお悩みの患者さんが少なくありませんが、原因として多い疾患は関節軟骨がすり減って痛む変形性関節症です。軟骨がすり減りやすい状態として、体重のかかり方が関節の一部に偏った場合が挙げられます。例えば、股関節では大腿骨頭に対する骨盤の受け皿が浅い臼蓋形成不全、膝では関節の内側に荷重が集中するO脚です。これらの状態があっても若年のうちには症状が生じないことが多いですが、40歳代や50歳代になると軟骨が徐々にすり減り、骨の変形も生じて変形性関節症へと進展します。
 対策としては、股関節や膝関節の周囲筋を強化することや、太り気味の方においては体重を減量することが挙げられます。しかし、これらを実践しても変形性関節症の進行が避けられないことが少なくありません。軟骨がほとんどなくなった状態になると、痛みを十分に取り除くためには人工関節の手術を受けるしかないことが多いですが、まだ軟骨が残存し変形も高度でない段階では軟骨の温存を図る手術もあります。
 
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