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院長・川村正英の


「痛みさえ取ってくれたら」 2017年5月2日

 腰痛や関節痛で受診された患者さんが「痛みさえ取ってくれたら」とおっしゃることがあります。
 痛みはつらいものですので、腰や関節の構造、機能的な問題はさておき、薬などを用いて痛みがなくなったらと考えるのも当然と思われます。しかし、これが簡単でないケースも少なくありません。例えば腰椎の圧迫骨折では腰痛を生じますが、発症早期の強い痛みは軽減しても、骨折が癒合するまでは痛みが残存し、痛みが全くない状態になるのには数カ月以上かかります。この場合に強い痛み止めを使い続けると副作用の問題が生じてきますので、骨癒合を目指して装具固定を行います。肩関節の腱板というスジが切れると、切れ方によっては肩を動かすたびに痛む状態が続きます。手術をしないとそのうちに骨の変形まで生じてくる症例もあります。腰や関節の急な痛みに対しては薬物などで対応しますが、根本的な治療をしないと痛みを取り除くのが容易でない症例も少なくありません。
 
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