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院長・川村正英の


肩の石灰沈着性腱板炎 2014年11月5日

 肩関節の石灰沈着性腱板炎は、腱板に石灰が沈着して炎症が起こる疾患で、症状として肩関節の急な痛みと可動域制限を来します。肩の炎症という点では五十肩に似ていますが、石灰沈着性腱板炎では強い痛みが急に起こるのが特徴です。五十肩では数週間前や数カ月前から痛かったと受診する患者さんが多いのに比べ、腱板炎では痛みのため夜間不眠となり発症後数日以内に受診する患者さんがほとんどです。あまり自覚していない方も多いですが、微熱が出ていることも少なくありません。治療として消炎鎮痛剤の内服や、ステロイドホルモン剤の注射、石灰の吸引などを行い、石灰を溶かす作用のある内服薬も用います。炎症が治まると数日から数週で症状が軽快することが多く、軽快に長期を要すことが多い五十肩とは対照的です。エックス線で肩に石灰を認めても炎症が生じていなければ痛みの原因になることは少なく、手術治療が必要になることは多くありません。
 
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