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院長・川村正英の


肥満と腰痛 2013年6月4日

 肥満が腰に悪いというのはよく知られていると思います。腰は上半身を支えるので、体重が増えると腰椎にかかる負担は大きくなり、椎間板も神経の通り道の方に膨隆しやすくなります。腰椎をコンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)で撮影してその断面を見てみますと、痩せた人では腰椎が体の中央近くに位置します。一方、肥満の人は腰部背部など体の背面にも脂肪が付きますが、前方の腹部に付く脂肪が多いので、断面で見ると腰椎は体の後方に位置してしまいます。建物を一本の柱で支える場合に、柱が中央にあれば力学的にも安定するでしょうが、柱が端っこにあると不安定で柱にかかるひずみも大きくなります。おなかの出ている人は腹部前方に重りを着けて動いているようなもので、腰椎は横から見ると前方凸のカーブが強くなっている人が多いです。腰痛のある人は減量と腰椎周囲の筋力強化をして腹部を引き締めれば、腰椎にかかる負担は随分と軽減されると思います。
 
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