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朝のこわばりと関節リウマチ 2005年4月4日

 関節リウマチの活動性を判定するには血液で調べる炎症反応が最も有用ですが、症状から判断する場合には関節の腫れや全身の疲労感のほかに朝のこわばりが挙げられます。これは手の指が腫れぼったく曲げにくい、あるいは体全体がこわばって起きにくいといった症状で、朝起きた時に一番強く感じるので「朝のこわばり」といいます。歩き始めに足やひざに腫れた感じがして動かしにくい場合もあります。リウマチの診断基準にも「1時間以上持続する朝のこわばり」が一項目として入っています。リウマチの調子がよい場合は起床後体を動かしているうちに徐々に動きやすくなり、日常生活の開始とともにこわばりが消失していくことが多いのですが、リウマチの調子が悪いと昼ごろまでこわばりが続く場合もあります。朝のこわばりの持続時間はリウマチの活動性とある程度比例するといわれています。
  一方、リウマチでない人でも起床時や動き始めに手や足のこわばりが短時間生じることがあります。運動開始時に手足の関節の血行が不十分なためこわばりを生じ、運動を続けると筋肉、関節などの組織において血流が増加し、血行障害が改善されるためこわばりが消失するものと考えられます。起床時や動き始めに関節をよく動かすことによりこわばりを軽減することができます。このように関節リウマチでなくても朝のこわばりを感じる人もいますが、こわばりが長時間続いたりひざや肘などにもこわばりがある場合はリウマチの疑いがあります。朝のこわばりを感じる方はリウマチ専門医受診をおすすめします。

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