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院長・川村正英の


変形性膝関節症の画像診断 2019年11月6日

 中年以降に関節軟骨がすり減って骨が変形してくる変形性膝関節症が原因で膝が痛む患者さんが多く見られます。痛みのため歩行は制限され、関節の動きは悪くなり水もたまりやすくなります。
 膝関節のエックス線を撮影すると関節の隙間が狭くなり、新たにできた骨のとげをはじめとする変形が見られるようになります。ところが、エックス線での変形が少ない割には痛みや腫れの強い患者さんもいらっしゃいます。そのような方の磁気共鳴画像装置(MRI)を撮影してみると、半月板の傷が見られることは多く、半月板損傷の部位や断裂形態によっては内視鏡手術の適応となることがあります。また、大腿骨の関節面などにエックス線では判明しない骨壊死の合併が見られることもあります。その場合、骨が弱いために生じた骨折が原因で壊死を来すとの考えがあり、骨粗しょう症の薬物療法が必要になることもあります。
 変形性膝関節症の患者さんでエックス線での変形が高度でない割に症状が強い場合にはMRI検査も考慮されます。
 
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