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院長・川村正英の


脊椎圧迫骨折後の再骨折 2019年9月3日

 骨粗しょう症による脊椎圧迫骨折を生じて装具療法などで骨癒合が得られても、骨粗しょう症が放置されると脊椎の他の部位に再び圧迫骨折が起こるリスクが高くなります。
  2011年から2015年の5年間に当院を受診した骨粗しょう症性脊椎圧迫骨折は236例ありましたが、このうち52例の患者さんにおいてはその後に新たな圧迫骨折を生じたことが、2017年末の調査で判明しました。再骨折は初回骨折後6カ月以内に生じた症例が16例と最も多く、次いで2年から3年の間にも発生が多い傾向にありました。骨粗しょう症治療薬の種類によっては再骨折の発生が少ないものがあり、途中で薬物療法を中断した患者さんにおいては再骨折が多く生じていました。
  圧迫骨折を来した骨は変形が一切なく治ることが困難で、次から次へと骨折が連鎖するほどに背骨全体の曲がりを生じて老人性の体形になっていき、歩行などの運動機能も低下します。再骨折を防止するためには圧迫骨折治癒後も骨粗しょう症の薬物療法継続が望まれます。
 
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