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院長・川村正英の


脊椎圧迫骨折を生じた場合の骨粗しょう症治療  2018年3月6日

 高齢者において強い腰背部痛が急に起こった場合には骨粗しょう症を基盤とする脊椎の圧迫骨折が生じていることが少なくありません。骨粗しょう症が重症であると、転倒などのけががなくとも圧迫骨折が起こります。骨折が生じたら、通常は装具による固定をして骨粗しょう症の薬物療法を行います。圧迫骨折は3カ月から半年ほどで治っていくことが多いですが、骨折部にはある程度の変形が残ることが少なくありません。
 骨折が治癒しても、数カ月から数年のうちに脊椎の別の箇所に再び圧迫骨折が生じる場合があります。このようなケースは骨粗しょう症の薬物療法が継続できていない例に多く見られます。脊椎の骨折が次々と生じると徐々に背中が丸くなってきて、老人性の体形に変わっていき、歩行など運動機能の低下も起こりやすくなります。健康寿命にも関わってくる問題ですので、圧迫骨折が治って痛みが軽快しても骨粗しょう症の薬物療法を継続することが重要です。
 
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